フライソンアミメカワゲラ

Perlodes frisonana Okamoto, 1912 

アミメカワゲラ科 

体長・18mm前後 

分布・北海道、本州 

環境省レッドカテゴリ・準絶滅危惧 

川虫の一種。幼虫は全身黄色く、細かい黒班が全身に散らばる。頭部はやや大きめ。成虫は全身黒く、胸部の正中線上を黄色い一本腺が走る。前翅・後翅ともに、翅の先端近くの翅脈は網目のように細かく脈がクロスする。幼虫・成虫ともに、腹部の第1-4節は背板と腹板が癒着せず、膜質の皮で隔てられるという特徴がある。

東日本を中心に分布し、幼虫は河川の中流域にある、岸辺近くで流れのかなり緩やかな瀬に生息する。川底が砂泥質で、そこにあまりぎっちりと詰まらない感じで丸石が散らばっているような環境を好む。肉食性で、近づいてくる他の川虫などを襲って喰らう。

成虫は年一回、早春に羽化する。

河川中流域は生活排水などに伴う水質汚染の影響を受けやすいため、こうした汚染が本種の生息にとって脅威たりえるのは言うまでもない。それに加え、本種の幼虫は水に浮きやすい上、どういうわけか体表面が異様に水をはじく。一度川底を物理的に攪乱されると、石を踏み外して水面に浮いてしまい、その後容易に自力で川底に戻れない。そのため、河川改修にともない重機で川底を引っかき回される行為が、本種の幼虫期の生息に悪影響をなすという見方もある。


※引用文献

後日追加。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。