キバラハキリバチ
Megachile xanthothrix Yasumatsu et Hirashima, 1964
ハキリバチ科
体長・15mm前後
分布・本州、四国、九州
環境省レッドカテゴリ・準絶滅危惧
複眼は緑がかった灰色に見え、透明感がある色彩。全体的に黄色っぽい体毛で覆われており、特に腹部の黄色はよく目立って美しい。国内にはこのほか、外見の酷似したオキナワキバラハキリバチM. okinawana Yasumatsu et Hirashima, 1964とヤエヤマキバラハキリバチM. yaeyamaensis Yasumatsu & Hirashima, 1964が知られる。これらは素人目では区別しがたく、標本を精査する必要がある。本州では無印のキバラしか分布しないことになっているのでいいが、九州でこの手のハチを見たときには、少なくともオキナワキバラが混在する場合があるため、注意して同定せねばならない。
成虫は夏から秋にかけて見られ、メスは土中に穴を空けて巣とする。内部は仕切りにより複数の部屋に分かれており、そのそれぞれに花粉と蜜を練ったものを溜め込む。巣の仕切りは、近隣の植物から切り出してきた葉が使われる。
国内では南方ほど出現頻度の高い種のようであり、国内での本種の分布北限については不詳ながら、私は茨城県で確認している(小松 未発表)。また、比較的開けた砂浜海岸や河川敷環境で見かけることが多い。したがって、海岸や川岸の埋め立てなどが本種の生息に悪影響をなすとの見方がされている。
他方、私は東日本の海岸において、コンクリートで固められた護岸のひび割れた隙間に営巣する本種を見ている。吸蜜や巣の仕切り材の拠り所となる植物群落さえ残されれば、案外しぶとく行きのこり続けそうな気がするのだが。
※引用文献
後日追加。
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