クロマルハナバチ

Bombus ignitus Smith, 1869

ミツバチ科 

体長・20mm弱 

分布・本州、四国、九州、中国、朝鮮半島 

環境省レッドカテゴリ・ 準絶滅危惧  

全身黒く、腹端だけ鮮やかな赤色。真横から見ると、胸部および腹部背面の体毛はバリカンで刈りそろえたかのように整然と生えており、平らに見える。かつては日本本土の平地で普通に見られる代表的なマルハナバチだったはずだが、今やよくわからない原因で全国同時多発的に激減している。

本種に関しては、「絶滅危惧の地味な虫たち」(ちくま新書)に既に詳しく書いた。

近似種コマルハナバチB. ardens Smith, 1879。クロマルによく似るが、真横から見ると、胸部および腹部背面の体毛は長さの異なるものが混在し、ボサボサして見える。クロマルと似たような生態を持つはずだが、本種は目だって激減する向きが見られず、都市近郊でも普通に生息し続けている。

インターネット上でクロマルハナバチを画像検索すると、かなりの割合で本種をクロマルと誤同定して載せているサイトが多いため、注意を要する。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。