ハイイロボクトウ

Phragmataecia castaneae (Hübner, 1790)

ボクトウガ科 

開長・41-46mm 

分布・北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、ユーラシア大陸、アフリカ北部 

環境省レッドカテゴリ・ 準絶滅危惧

全身が褐色がかった灰色。ススのように細かい黒班が、翅全体に散らばっている。トンボのように細い胴体と翅を持つ、特異な風貌のガ。

成虫は年一回、初夏に出現。ヨシの生い茂る湿原、河川敷に生息し、日没後に活動を開始する。飛翔速度は割と速い。幼虫はヨシの茎内に食い入り、髄の部分を食い進む。

湿地環境の減少に伴い、生息地が縮小しているとされる。一方、一定規模のヨシ原が残されていれば、周辺地域がかなり都市化してもしぶとく生き残るようである。


※引用文献

岸田秦則(2015) ハイイロボクトウ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.425.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。