オオサカアオゴミムシ

Chlaenius pericallus Redtenbacher, 1867 

オサムシ科 

体長・12mm前後 

分布・本州、四国、九州、中国大陸 

環境省レッドカテゴリ・情報不足 

全身が青緑系をした種の多いアオゴミムシ類にあって、オレンジを基調とした鮮やかな体色をした種。大阪府で得られた標本をもとに記載された。そのため名前こそオオサカだが、盤石な生息地は関東地方の平野部にある。本種は西日本ほど発見しづらく、大阪府では長らく採れたという話を聞かない。その近隣都道府県においても、状況は似たり寄ったりのようだ。

頭部は金属的な緑、胸部はオレンジ。上翅は黒で、オレンジの縁取りがあり、後方でその縁取りが幅広くなる部分がある。これにやや外見の似たヒトツメアオゴミムシというのがいるが、上翅の模様が明らかに異なるので区別は容易。また、ヒトツメはオオサカとは逆に西日本において遭遇頻度が高い。

水田や河川敷のヨシ原など、平地の湿地環境に生息する。夜間、地表を素早く駆けまわり、他の小動物を襲って食う。夜間、コンビニなどの灯火に飛んでくる場合もある。幼虫期、いかなる生態を持っているかは不詳。なお、このゴミムシが生息する湿地では、概して他の湿地性ゴミムシ類の種数・個体数ともに豊富に思える。成虫で越冬するが、その際には水辺近くの土手などに穿孔する。


平地の湿地環境は、すぐ開発で埋め立てられやすい。関東平野では、かつてはやや普通種という見方をされていた本種も、今ではそれなりに本腰を入れて探さねば遭遇が難しくなってきた。


※引用文献

後日追加。


精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。