ハガクビナガゴミムシ

Odacantha hagai Nemoto,1989 

オサムシ科 

体長・5mm前後 

分布・北海道、本州 

環境省レッドカテゴリ・情報不足

体は全体的に光沢が強い。頭部と胸部は黒、上翅は褐色で、左右の合わせ目に沿って色が濃い。似た種が若干いるが、体サイズと体型により区別が可能。

岸辺にヨシやスゲ類の生い茂る、平地の湿地帯に限り生息する。水辺ギリギリのぬかるんだ場所に好んで住んでおり、こういう場所の草の根際を踏むと水面に浮いてくる個体を確認できる。水辺の草上に生息するウンカ類を襲って餌とすると言われるが、食性など詳しい生態はまだ詳細に調べられていない。

目立たないのと見つけにくいのとで、なかなか存在を認知されない精霊だが、いる場所にはいる。しかし、良好な湿地環境の減少により、予備知識なしに遭遇するのはやや難しくなっている。

近似種チャバネクビナガゴミムシO. aegrota (Bates, 1883)(ナカグロキバネクビナガO. puziloi Solsky,1875の可能性あり)。写真で見る限り外見はハガクビナガそっくりだが、体サイズが一回りでかい。胸部の形も、こちらの方がやや細長い。ハガクビナガよりも水際からやや離れた、あまりビチャビチャでない所で見つかる。ハガクビナガよりは遙かに普通種。


※引用文献

後日追加。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。