チョウセンゴモクムシ

Harpalus crates Bates, 1873 

オサムシ科 

体長・13mm前後 

分布・本州 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類 

全身漆黒でツヤがある。脚は短めで頭幅体幅ともに広く、体サイズの割にがっしりした印象。上翅には、ほんのり紫がかった金属光沢を帯びることが多い。渋い、大人向けの美しさをたたえた精霊。

やや乾き気味の草原や荒れ地、河川敷に生息し、砂礫の地質を好むようだ。日中は石下などに身を潜めており、日没後に外を出歩く。一般的にゴミムシ類は肉食性と相場が決まっているが、本種を含むゴモクムシ亜科のゴミムシ類は、積極的に植物質の餌を摂取する。本種の場合、雑草の一種メドハギの種子を好んで食うことが確かめられている。大きな頭部の中には、恐らく固い種子を粉砕するため、強靱な大顎を動かす筋肉が収納されているのだろう。


もともと全国的に、さほど普通な種ではなかった。そこへ来て近年は河川改修や河川敷への車の乗り入れなどにより、生息環境は悪化しているとされており、わざわざ狙わないと遭遇しがたい種と言える。


※引用文献

後日追加。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。