トゲアリ

Polyrhachis lamellidens Smith,1874 

アリ科 

体長・7-8mm程度(働きアリ) 

分布・本州、四国、九州、対馬、屋久島、朝鮮半島、中国大陸、台湾 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類 

大型のアリで、働きアリの頭部と腹部は漆黒、胸部と腹柄節(胸部と腹部の継ぎ目)は赤い。胸部には3対のトゲがあり、また腹柄節は釣り針のように鋭く二分岐する。女王は、腹柄節が赤みを帯びる以外は全身漆黒。雑木林に生息し、樹洞に大きな巣を構える。新女王は自力でコロニーを創設できないため、オオアリ属の大型種の巣を乗っ取る。


本種に関しては、「絶滅危惧の地味な虫たち」(ちくま新書)に既に詳しく書いた。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。