ミズバチ
Agriotypus gracilis Waterston, 1930
体長・10mm前後
分布・北海道、本州、九州
環境省レッドカテゴリ・ 情報不足
全身黒色で、肉眼ではわからないが全体がうっすらと細毛で覆われている。メスはオスに比べて翅が強く褐色がかっており、触角がより短い。雌雄とも、胸部背面には細い一本のトゲが反り返るように生えている。腹部の付け根は強くくびれており、背面から見ると鈴がぶら下がっているかのよう。
初夏に河川周辺の草むらに止まっているのを見かけるが、大層地味なので普通は存在に気づかれることもない。この寄生蜂は石や草を伝って水中に潜り、川底に固着した川虫・ニンギョウトビケラの巣に寄生することで知られる。内部で蛹か前蛹の段階にまで育っている巣を見つけ出し、外側から産卵管を突き刺して産卵する。この精霊に寄生されたトビケラの巣からは、細長いリボン状の構造物が飛び出すため、一目でそれとわかる。
各地で希少種扱いされるが、決して珍しいものではなく、生息地での個体数も概して多い。
※引用文献
Konishi K & Aoyagi M (1994) A new species of the genus Agriotypus (Hymenoptera, Ichneumonidae) from Japan. Japanese Journal of Entomology, 62 (3): 421-431.
Konishi K. Agriotypus gracilis Waterston, 1930 ミズバチ。日本産ヒメバチ目録 Check list of Japanese Ichneumonidae: https://sites.google.com/site/ichneumonidjp/home/agriotypinae/agriotypus/agriotypus-gracilis
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