トゲナベブタムシ

Aphelocheirus nawai Nawa, 1905 

ナベブタムシ科 

体長・10mm前後 

分布・本州、九州、朝鮮半島、ロシア 

環境省レッドカテゴリ・ 絶滅危惧II類 

体は円盤状で、紙のように平べったい。背面には薄い黄色と灰色がかった緑の模様があるが、模様の出方は個体によりかなりの変異が見られる。腹部の両端はノコギリのようににトゲトゲしくなっている。背面から見ると見えないが、非常に長く鋭い口吻を持ち、これで他の生物を襲って体液を吸い殺す。素手で掴むと、人間でも刺される。

水生カメムシの一種で、水質の良い河川中流域の、砂利交じりの川底に潜む。

本種に関しては、「絶滅危惧の地味な虫たち」(ちくま新書)に既に詳しく書いた。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。