コガタガムシ

Hydrophilus bilineatus cashimirensis Redtenbacher, 1892

ガムシ科 

体長・23-28mm 

分布・本州、四国、九州、南西諸島、中国大陸、朝鮮半島、台湾、東南アジア 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類 

全身黒っぽい。腹面にトゲ状の長い突起が生えているが、外見の酷似したただのガムシはこの突起がもっと短い。

水草の多い池に生息するが、明らかに温暖な地域ほど出現頻度が高い。また、本土よりも南西諸島において個体数が多い。成虫は主に水草を中心とした種々の有機物を食う雑食性。幼虫は肉食性で、巻貝などを襲うとされる。

本土ではもともと少なく、毎年確実に生息を確認できる場所は稀である。そこへ来て、溜め池の埋め立てや水田の減少によって生息環境が激減し、ますます稀少になりつつある。南西諸島ではまだ多いが、それでも生息地の減少は進んでいる。


※引用文献

林成多(2015) コガタガムシ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.260.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。