ツノアカヤマアリ

Formica fukaii Wheeler, 1914

アリ科 

体長・4-6mm(働きアリ)

分布・北海道、本州、サハリン、中央アジア 

環境省レッドカテゴリ・情報不足 

働きアリは頭部と胸部が赤く、腹部が黒い。頭部は後縁部の中央がくぼみ、ハート形を呈する。高標高の涼しい地域に好んで住み、北日本ほど平地で遭遇しやすくなる。日当たりよい草原などの地面に枯草を集め、アリ塚を形成する。性格は比較的攻撃的で、迂闊に塚を刺激すると大量の働きアリが出てきて攻撃してくる。しかし、傍で静かに観察している分には徒に攻撃してこない印象。

コロニー創設期の新女王は、クロヤマアリ類の巣を乗っ取る習性が知られる。


本種に関しては、「絶滅危惧の地味な虫たち」(ちくま新書)に既に詳しく書いた。

※引用文献

多田内修 (2015) ツノアカヤマアリ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.481.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。