キベリクロヒメゲンゴロウ

Ilybius apicalis Sharp, 1873 

ゲンゴロウ科 

体長・6-8mm 

分布・北海道、本州、四国、九州、中国大陸、朝鮮半島 

環境省レッドカテゴリ・準絶滅危惧 

楕円形で全身黒っぽく、名前の通り体の縁が黄色い。見た感じ、無印のゲンゴロウ(ナミゲン)

をそのまま超ミニサイズにした感じの種。

平地の池や川の淀みなどに生息する水生の甲虫。他のゲンゴロウに比べて、土砂に潜って身を隠したがる性質がとても強い印象を受ける。そのため、古くはスナモグリゲンゴロウという名で呼ばれていた。全身をなかなか晒さないので、撮影は難しい。

かつてはゲンゴロウの仲間の中でもかなり普通に見られる部類だったという。しかし、生息地である池の埋め立てや水質汚染、アメリカザリガニなどの外来生物による影響を受け、次第になかなか見られない種となりつつある。他方、いる場所にはまだかなり多い。


※引用文献

西原昇吾(2015) キベリクロヒメゲンゴロウ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.396.


精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。