ハガマルヒメドロムシ

Optioservus hagai Nomura, 1958 

ヒメドロムシ科 

体長・2.2-2.5mm 

分布・本州、九州 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧ⅠB類 

体形は楕円形に近く、全身が鈍い緑の金属光沢を帯びた黒。上翅には通常、オレンジ色の斑紋が1-2対出る。

微少な水生甲虫で、分布域が恐ろしく局所的な稀種。裏山を流れる細流の水底の砂利や細い流木などにしがみついている。成虫の出現期間は長いが、比較的寒冷な時期に個体数が多いようである。

清らかな流れを生息環境とするため、水質汚染に弱い。また、河川改修で生息地が壊滅する危険に晒されている。模式産地は福岡県北九州市だが、ここでは現在生息が確認できないようである。


※引用文献

上手雄貴、丸山宗利(2015) ハガマルヒメドロムシ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.130.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。