ギョウトクコミズギワゴミムシ
Tachys gyotokuensis Tanaka, 1956
オサムシ科
体長・2mm程度
分布・本州、四国、九州
環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類
恐ろしく微少なゴミムシの一種で、全身が透明感のあるアメ色。生きている間は、上翅に4つの黄色い模様(前二つが細長め)があるように見える。
大型河川の河口域に発達する干潟にのみ生息し、特にヨシなどが繁茂する塩性湿地に好んで住む。波打ち際に打ち上がったゴミや枯れ草などの堆積物下に隠れている。生息地が限られており、微少なことも手伝いなかなか見つからないが、生息地内での個体数は割と多い傾向にある。
千葉県の行徳にある、江戸川の河口域から得られた個体に基づいて記載された種。しかし、近年ここで見つかったという噂を聞かない。河川改修に伴うヨシ原の消失、水質汚染により、本種の生息域は今まで以上に縮小していると見られている。
どうでもいい事だが、この虫をフィールドで何匹も観察していると、体表面に昆虫寄生菌・ラブルベニアが結構ついていることに気づく。ラブルベニアは、生きた昆虫の体表クチクラにしか寄生せず、しかも種特異性が極めて高いという。
こんな爪の垢並に小さい、そしてこんなトンチキで風変わりな環境にしか住まない虫の体表にしか住まない菌がいる。その事実が、小説よりも奇である。
※引用文献
後日追加。
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