カミヤコガシラミズムシ

Haliplus kamiyai Nakane, 1963 

コガシラミズムシ科 

体長・3mm程度 

分布・本州 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧ⅠB類

胴体は黄色っぽく、大小の黒点が散らばる。特に、上翅の中央付近の合わせ目には、十字架(っぽい形)の黒紋が現れるのが厨二的。頭部は黒く、脚は褐色。かつては近似種クビボソコガシラミズムシの単なる色変わり個体として扱われていたようだが、現在は独立した種として扱われる。また、クビボソコガシラミズムシとは生息環境も根本的に違えている。

形もサイズもゴマ粒みたいな水生甲虫。清涼な水が流れ込む湿地や休耕田の、水深が浅くてアオミドロなどの藻類が茂った辺りに生息する。成虫は脚をせわしなく動かしては、ちょこまかと素早く泳ぎ回る。動物質のものを好んで餌にする。

本種に限らないが、コガシラミズムシ類の幼虫は、まるでムカデかゲジのような姿をしており、藻類から汁を吸って成長する。


生息地である湿地帯の埋め立てなどにより、もともと少なかった生息地は減り続けている。他方、生息地がたまたまビオトープなどの保全区域だったり、同所的に目を引く希少生物がいて保全されている地域の場合、それに便乗する形で生き残っている例があるようだ。


※引用文献

後日追加。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。