キイロホソゴミムシ
Drypta fulveola Bates,1883
オサムシ科
体長・9mm前後
分布・本州
環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧ⅠB類
全身が艶消し調。胴体は全体的にくすんだオレンジ色で、翅端は黒ずむ。脚は黒い。上翅の表面は細毛で覆われている。
日本固有種で、目下知られている産地は関東平野の海岸沿いのみ。河口部に広がるヨシ原という、特殊な環境に依存する変わった精霊。冬季にはヨシ原の中に棄てられたゴミや石、流木下で集団越冬する様が見つかるが、夏期の活動期にいかなる振る舞いをしているかは、はっきりと分かっていない。飼育下では、草上に生息するウンカを捕食する習性が確認されている。
行動は素早く、地表でも植物の茎上でも軽快に駆け回る。
最初に東京都の隅田川河口で発見され、その後千葉県の江戸川河口でも見つかったが、いずれの産地も開発により生息が確認されなくなった。さらにその後、千葉県の別の河口域で産地が見つかり、ここが長らく世界唯一の本種の産地と言われていた。
現在は、関東地方の沿岸沿いに幾つもの産地があることがわかり、直近での絶滅の可能性は低いと思われる。しかし、産地はいずれも人為活動の影響をもろに受ける環境にあるため、その生息状況は安泰とは言い難い。
発達した後翅を持ち、飛翔可能なはずなのに、不思議と分布域が関東の外へと広がっていかない。
※引用文献
後日追加。
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