キボシツブゲンゴロウ

Japanolaccophilus niponensis (Kamiya, 1939) 

ゲンゴロウ科 

体長・3mm程度 

分布・本州、四国、九州 

環境省レッドカテゴリ・準絶滅危惧 

卵を逆さまにしたような体型で、全体的にふっくらした印象。黒褐色の地色で、頭部はやや色が薄い。上翅には、その名の通り黄色い斑紋が散らばっており、微少種ながらも美しい。

一属一種の分類学上特異な種。河川上流域から中流域にかけての、水質が良好なエリアにのみ見られる。岸辺近くの、ヨシなどの陸生植物の根が流水に洗われている所に潜んでいる。落ち着いているときの泳ぎは、ゲンゴロウの小型種としてはゆったりしている。餌は他の微少な水生昆虫。同所的に、名前の似た別種キボシケシゲンゴロウが見られることもある。


分布は比較的広いが、清涼な水質を好む種のため生息地は限られる。また、岸辺の植物の根際が住みかなので、河川の護岸化は本種の生息にとって致命的であろう。


※引用文献

後日追加。


精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。