イシガキシリアゲ

Neopanorpa subreticulata Miyamoto et Makihara, 1979 

シリアゲムシ科 

体長・10mm前後 

分布・南西諸島(石垣島) 

環境省レッドカテゴリ・ 情報不足 

全体的に薄い褐色で、顔面はオレンジみが強い。翅には黒い紋が散らばり、野外で見るとチェック模様に見える。小型種ながら、なかなか美しい。

石垣島の固有種で、特定の山林にのみ高密度で見られる。成虫は初夏、薄暗い林道脇の下草上で見られる。警戒心が割と強く、飛翔も素早いため、観察には結構気を遣う。他のシリアゲムシ類同様、弱った他の虫など動物質のものを食う。

現時点での絶滅の危険は低いと思われるが、森林の伐採に伴う乾燥化などが起これば、移動能力に乏しい本種の生息はたちまち危うくなるだろう。


※引用文献

中村剛之 (2015) イシガキシリアゲ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.487.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。