オキナワマツモムシ

Notonecta montandoni Kirkaldy, 1897 

マツモムシ科 

体長・16mm前後 

分布・南西諸島(沖縄本島) 

環境省レッドカテゴリ・ 準絶滅危惧 

体は紡錘形で厚みがある。複眼は大きく、赤褐色。顔面はクリーム色で、うっすら青みがさす。上翅は鮮やかな赤と黒の斑模様。後脚は長い。

水生カメムシの一種で、池や沼に生息する。水面下に張り付くようにして浮き、落ちてくる他の小昆虫を捕らえる。針状の口吻で突き刺し、中身を溶かして吸う。日本産マツモムシ科昆虫の中でも破格の大型種ゆえ、力が強く、時に自分の体よりも大きな昆虫でも捕らえてしまう。

国内では沖縄本島のみの分布だが、開発に伴う湿地帯や池の消失により、生息地は減っている。


※引用文献

林正美 (2015) オキナワマツモムシ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.379.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。