ゴマベニシタヒトリ

Rhyparia purpurata gerda Warnecke, 1918

ヒトリガ科 

開長・41-46mm 

分布・本州、ヨーロッパ~ロシア南東部 

環境省レッドカテゴリ・ 準絶滅危惧

全体的に黄色っぽい。腹部には虎のような縞模様が出る。前翅は黄色い地に地衣類のような薄墨色の紋が散らばる。後翅は紅色の地に黒点が散らばる。特徴的な風貌ゆえ、一目でそれとわかる種である。

中型のヒトリガで、国内では本州の高原地帯にのみ見られる。年一回、初夏の短期間だけ成虫が出現。夜行性で、日没後すぐに飛翔を開始する。飛び方はかなり素早く、追うのは至難。

幼虫はキンギンボクを食すことが知られるが、他にも生育可能な食草があると見られる。

開けた草原環境に強く依存するため、草原での開発行為あるいは逆に人の手が入らなくなることによる森林化が、生息地を狭めうる。シカによる草の食い尽くしも脅威。


※引用文献

岸田泰則 (2015) ゴマベニシタヒトリ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.444.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。