ケスジドロムシ

Pseudamophilus japonicus Nomura,1958 

ヒメドロムシ科 

体長・5mm程度 

分布・本州、九州 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧Ⅱ類 

全身が黒褐色で、上翅にはスジが目立つ。それぞれの脚先には、巨大かつ頑丈なツメを持つ。国内産ヒメドロムシ科の最大種。

水生昆虫で、成虫は5-8月に清涼な水質の河川上流~中流にかけての川底に見られるが、一カ所での出現期間は比較的短い。主に川底に沈んだ流木にしがみついているが、川岸近くのヨシの根にもいる場合がある。夜間、灯火に飛んでくる。

川底に沈んだ流木に依存した生態を持つため、常に上流から流木が供給されないと生息しにくくなる。よって、上流域にダムが作られて川がせき止められてしまうと、容易に姿を消しうる。

模式産地たる福島県の会津地方では、近年生息が確認されていない。


※引用文献

上手雄貴 (2015) ケスジドロムシ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.277.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。