ホソガムシ

Hydrochus aequalis Sharp, 1884 

ホソガムシ科 

体長・2-3mm 

分布・本州 

環境省レッドカテゴリ・絶滅危惧ⅠB類  

全身が金緑色。体表面には細かなへこみと彫刻が散らばる。上翅は極端に筋張った感じがしない。

極めて美しく、そして稀な水生の甲虫。水深の浅い池や湿地に住み、藻類を餌とするようだ。

日本固有種で、古い時代に関西地方の池で得られた標本をもとに記載された。しかし、その池がやがて干拓により潰されて消滅したため、以後長きに渡り確実な生息地がどこにもない状態が続いた。

2000年以降、東北地方北部で生息地が見つかり、からくも絶滅は免れている。しかし、他の生息地が見つかっておらず、依然として絶滅の危機からは脱していない。現在の生息地を、極力そのまま保全すべきであろう。


※引用文献

吉富博之、丸山宗利(2015) ホソガムシ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.123.

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。