ドウイロハマベゴミムシ

Pogonus itoshimaensis Habu, 1954 

オサムシ科 

体長・6mm程度 

分布・北海道、本州、九州 

環境省レッドカテゴリ・ 準絶滅危惧 

卵形に近い体型をしており、全身が赤銅色に鈍く輝く。福岡県の糸島市にある河口域で得られた個体を元に新種記載された種だが、その場所ではその後発見されない。

塩性湿地と呼ばれる、塩分を多分に含む河口域の湿地に特産する、非常に珍しい種。日中は水辺に堆積した藍藻類の下側、地面のひび割れなどに身を隠し、夜間になると活発に地表を徘徊する。行動は素早い。

生息環境の特殊さゆえ、全国的に生息地が僅かしかなく、しかもそのどれもが開発行為により消滅の危機に曝されている。

本種に関しては、「絶滅危惧の地味な虫たち」(ちくま新書)に既に詳しく書いた。

精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。