シャープツブゲンゴロウ

Laccophilus sharpi Régimbart, 1889 

ゲンゴロウ科 

体長・4mm程度 

分布・北海道、本州、四国、九州、南西諸島、東南アジア 

環境省レッドカテゴリ・ 準絶滅危惧 

楕円形の体型をしており、体色は全体的に明るい黄褐色。上翅にはうねうねした複雑なさざ波模様が幾重にもわたって走るが、この模様の出方には個体差がある。

小型のゲンゴロウで、水田や水たまりなど浅い湿地環境に生息する。かつては各地で普通に見られたとされるが、北日本や東日本では近年きわめて稀。南西諸島ではまだ比較的多い。湿地環境の全国的な減少・汚染が激減の理由であろうが、見た感じの環境がさほど変化していない雰囲気の場所でも突然姿を消すことがあるらしく、その減少理由にはよくわからない点が多い。


※引用文献

中島淳、北野忠、刈部治紀 (2015) シャープツブゲンゴロウ。環境省編 レッドデータブック2014 5。ぎょうせい、東京。pp.395.

渡部晃平 (2015) シャープツブゲンゴロウ。愛媛県編 愛媛県レッドデータブック2014。https://www.pref.ehime.jp/reddatabook2014/detail/05_03_014770_2.html


精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

環境省レッドリストに掲載された、800種余りの絶滅危惧昆虫たち。そのうち過半数を占めるのは、小さくて地味で取るに足らない外見のハエ、ハチ、カメムシ、ガ、ハナクソサイズの甲虫など。図鑑にさえしばしば載らず、一般に存在も知られぬまま滅び行く、小さき者達の集う場所。